ー鍛冶工事の仕事をわかりやすく解説!現場で活躍するプロの役割とはー

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鍛冶工事とは?身近なのに知られていない仕事

鍛冶工事は、建物や橋、プラントなどで使われる鉄骨や金属部材を加工し、丈夫で安全な構造をつくる仕事です。昔ながらの「鍛冶屋さん」のイメージを持つ方も多いですが、現在の鍛冶工事は機械や溶接機を使いながら、図面どおりに鉄骨を切断・穴あけ・取り付けしていく専門的な技術職です。
建設現場の仕事というと、大工やとび職を思い浮かべる人が多いですが、その裏側で鉄骨を支え、仕上がりの精度を左右しているのが鍛冶工事の職人です。建物の安全性に直結する重要なポジションだといえます。

鍛冶工事の基本的な役割

鍛冶工事の主な役割は、鉄骨や金属部材を「図面どおりの形に整え、決められた場所に取り付けること」です。具体的には、ガス切断機で鋼材を切る、穴あけをする、ボルトで固定する、溶接でつなぐといった作業が中心になります。
また、現場で組み上がった鉄骨が図面どおりの寸法になっているかを確認し、微調整を行うのも鍛冶職人の仕事です。ミリ単位のズレが後の工程に影響するため、細かな確認と調整が欠かせません。

どんな現場で働くのか

鍛冶工事が活躍する現場は、ビルや工場、ショッピングモール、発電所、橋梁工事などさまざまです。建物の骨組みとなる鉄骨工事のほか、手すりや階段、タンク、配管ラックといった部分をつくることもあります。
新築工事だけでなく、既存の建物の補強工事や機械設備の据え付けなど、仕事の幅が広いのも特徴です。屋外での作業が多いので、季節や天候によって環境が変わる点も、鍛冶工事ならではといえます。

具体的な仕事内容をわかりやすく解説

ここからは、鍛冶工事の1日の流れを追いながら、具体的な作業内容をイメージしやすいように説明していきます。未経験の方でも現場の雰囲気が伝わるように、代表的な工程を順番に見ていきましょう。

図面を確認し、準備を整える

まずは、施工管理者や現場監督から渡される図面を確認し、その日に行う作業内容を把握します。どの部材をどのサイズに加工するのか、どこに取り付けるのかをしっかり理解しておくことが大切です。
次に、必要な工具や機械を準備します。ガス切断機や溶接機、電動工具、安全帯やヘルメットなどの保護具をチェックし、安全に作業できる状態かどうかを確認してから仕事を始めます。

ガス切断や溶接で鋼材を加工する

準備が整ったら、鉄骨や鋼材を図面どおりの長さや形に加工していきます。ガス切断機でまっすぐに切ったり、開口部をつくったりしながら、必要なパーツを一つひとつ仕上げていきます。
その後、溶接で部材同士をつないだり、補強のためのプレートを取り付けたりします。溶接は強度や安全性に大きく関わる作業なので、技術と経験が求められる部分です。

ボルト締めや歪み取りで仕上げを行う

組み上げた鉄骨は、ボルトでしっかり固定し、必要に応じて歪み取りを行います。溶接や切断の熱によって鋼材がわずかに曲がることがあるため、ハンマーやジャッキを使って形を整えるのも鍛冶職人の腕の見せどころです。
最後に、寸法や取り付け位置を再確認し、安全性に問題がないかをチェックします。こうした積み重ねによって、見た目も中身も安定した構造物が完成していきます。

鍛冶工事に向いている人・必要な資格

ここまでの内容から、鍛冶工事は「力仕事」と「繊細な確認作業」の両方が求められる仕事だとイメージできたのではないでしょうか。最後に、どんな人が向いているのか、どのような資格がキャリアアップにつながるのかを紹介します。

コツコツ作業とチームワークが好きな人

鍛冶工事は、同じ作業を丁寧に繰り返しながら、少しずつ形にしていく仕事です。そのため、地道な作業が苦にならない人や、手先を動かすのが好きな人に向いています。
また、現場ではとび職や溶接工、施工管理者など、多くの職種と協力しながら仕事を進めます。あいさつや報告・連絡・相談がしっかりできる人、安全ルールを守れる人は、周りからも信頼されやすく、働きやすい環境をつくれるでしょう。

未経験から目指すための資格・キャリアパス

未経験の方でも、まずは現場で先輩について基本的な作業を覚えながら、少しずつ仕事の幅を広げていくことができます。入門段階では特別な資格がなくてもスタートできますが、将来的にはアーク溶接やガス溶接、玉掛け、高所作業車などの資格を取得しておくと活躍の場が広がります。
経験を積むことで、鉄骨工事全体を見渡せる職長や、図面作成や工程管理を担当する立場を目指すことも可能です。ものづくりが好きで、手に職を付けたいと考えている方にとって、鍛冶工事は長く続けやすい仕事だといえるでしょう。

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